NH3/CO2省エネ自然冷媒冷凍システム

地球温暖化係数(GWP)と環境問題、法規制について

今なぜ自然冷媒なのか?

1960年代,南極観測隊によって南極上空にオゾン層の希薄な部分が存在し,オゾンホールと名づけられた。それが年々拡大することが確認され、原因が主として塩素によるオゾンの分解であり、塩素の発生量の大部分が地上で人類が放出するフロンであることが明らかになった。
1985年のウィーン条約、1987年のモントリオール議定書により、先進国ではクロロ・フルオロ・カーボン(CFC)は1995年末全廃、ハイドロ・クロロ・フルオロ・カーボン(HCFC)は2010年に実質的に全廃される予定になっている。(全廃とは生産、商取引、大気放出等の禁止で、冷凍機等で使用中のものを禁止するものではない)その為、CFC及びHCFCの代替冷媒として塩素を含まないハイドロ・フルオロ・カーボン(HFC)が開発され、それを使った冷凍機も実用化されて来た。

しかし、1997年京都で開かれた気候変動枠組条約第3回締約国会議に於いてHFCはCO2に比較して数百倍~数千倍の地球温暖化能力を有していることから排出削減対象に指定された。
また、この時の議定書で日本、米国、EUではそれぞれ地球温暖化効果ガスの排出量をCO2換算で2008年~2012年の平均値を1990年の排出量より6%、7%、8%削減することに同意した。
ところが1999年の時点で日本のCO2換算での地球温暖化効果ガスの排出量は10%程度増加していると考えられており、2010年の目標達成は非常に難しい状況である。
京都議定書では日本、米国、EUともに批准が終わっておらず、条約として発効していないので義務は生じていないが、各国がその基準をクリアしたとしても、21世紀末には1~6℃程度地球温暖化が進むと考えられている。
近年、メキシコの大豪雨、中国の干ばつと大水害、北極海氷の縮小、ヒマラヤの氷河の後退、バングラディッシュの海面上昇による大洪水等数えきれない位の自然災害が地球温暖化によって起こったと考えられている。条約上の義務に関係なく、地球の自然環境を守るために条約で約束した以上の温暖化効果ガスを率先して削減することが会議を主催した日本に特に望まれる。
現在フロン類による地球温暖化への影響度は全体の25%程度と試算されているが、CO2が植林、その他人類の努力で削減できる可能性があるのに比べて、フロン類は放出しただけで年々地球上に蓄積してしまい、人類の力でそれを減らすことはほとんど不可能な物質である。

したがって、フロン類による地球温暖化への影響度は年々大きくなってくると思われる。
我々冷凍機業界に関わる者も当然地球環境を守る責任があり、真剣かつ早急に対策をとる必要がある。
そこでオゾン層も破壊せず、地球温暖化にもほとんど関与しない冷媒として炭化水素類、アンモニア、2酸化炭素、水、空気等の自然冷媒が再検討されるようになった。
自然冷媒はフロンと比較して可燃性、毒性、効率性、経済性等の点で問題があり、冷媒としての主役の座をフロン類に奪われていたが、再度使用するにあたっては当然、新しい技術でそれらの欠点を克服する必要がある。
日本でアンモニアからフロンに本格的に切り替えられてから約30年経過しているが、幸いその間に資材の製造技術やコストダウン、制御技術の電子化等が進展して、自然冷媒の欠点を克服することが可能になってきた。

今後、技術力を駆使して、自然冷媒を上手に安全に使用することが必要と考えています。

主要冷媒などの環境負荷特性

主要冷媒などの環境負荷特性